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Photo:Satoshi Shigeta

イマケンビル・リノベーション

 旧「今建ビル」は手袋卸業を営む作業場付き住宅であった。廃業と自宅移転によって空き物件となっていたが、不動産の収益化の相談を現在の オーナーから受けた。当初は建替えによる賃貸マンションの建設を予定していたが、築年数(検討開始時点で築55年)に比較してビルの状態がよかったため、リノベーション案も同時に検討した。そして、共同住宅への用途変更と、改修による耐震性の確保が共に可能であり、また銀行からの融資の目処も立ったことから、最終的に初期投資の小さいリノベーションによ る再生を進めることになった。

 住戸の間取りは、DINKSやSOHO利用をねらって1LDKを採用した。住戸内のデザインは、古いビルの持つレトロさの魅力を反映しながらも、断熱性能の向上や最新設備への更新も行っている。1階はファサードを大開口に変更することによって地域に開かれた店舗が営まれるようにした。 付近は町工場や倉庫などが古くから立ち並ぶエリアである。それらが 近年、賃貸や分譲のマンションに次々と建替わりつつあるが、マンションの立派なエントランスや駐車場が並ぶ通りは、とても閑散としている。我々は、この古いビルのリノベーションが、地域らしさの持続性を表現するものにしたいと考えた。1階を店舗としたのは、「まち」の憩いの場となることを 期待したからであり、現在「喫茶ランドリー」としてそれが実現されている。

|所在地:東京都墨田区|RC造3階建て|敷地面積:159.14㎡|建築面積:117.94㎡|延床面積:354.78㎡|

|準工業地域|竣工年:2017年​施工:丸喜株式会社齋藤組

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